『極黒のブリュンヒルデ』総話レビュー
今のところ自分が今期観ていたアニメでは『河合荘』を残して、他のアニメは最終話を迎えたので、アバウトに自分が最近観終えた順で総話レビューをしていきたいと思います。
と言う事で、先程、観終わったダークファンタジー作品『極黒のブリュンヒルデ』から。
個人的には初めての岡本倫作品だったのですが、切迫した緊張状態とそれをほぐすような特徴的なギャグが挿入されるその緩急のセンスがなかなか心地よく、物語としてもテンポ良く映り、それなりにシリアスな作風ながら神妙になりすぎることなく観られました。
ただし、特に後半…OPが代わったあたりから、原作未読かつ初岡本倫作品の自分が観ても、これは「巻き」と言うか、かなり猛ダッシュで駆け抜けているように思われて、1クールでなく2クールでみっちり世界観を余すことなく伝えてくれれば良かったなと思うところもあります。
あまりこういった作風のアニメは見慣れていないのもあり、特に後半は自分の理解力不足で把握できなかったあれこれがあり今も結構な物事に頭の中で疑問符が浮かんでいる状態なので、今回はレビューといったたいそうなものでなく、感想です。
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14年春期アニソンランキング5(書き上げ記事)
今期も多くのアニメが終盤なので、先期同様にアニソンレビューの文法も知らないままランキング化してみます。
候補となったのは、僕が今期観ていた9アニメ(『一週間フレンズ。』『極黒のブリュンヒルデ』『ご注文はうさぎですか?』『selector infected WIXOSS』『ピンポン THE ANIMATION』『僕らはみんな河合荘』『犬神さんと猫山さん』『監督不行届』『秘密結社 鷹の爪 エクストリーム』)においてOPあるいはEDになったカバー曲含む新曲15曲の内から選出。
先期ぶりのアニソンランキングですね。正直、ダビさんとこのブログを立ち上げる構想をしてた時、アニソンレビューするということ以外は僕は何の記事を書くかほとんど決まっていなかったんです。なので、ワールズエンド・サテライトにおいては、これが本職という感じが未だにしています。笑
余談はおいておいて、ベスト5をどうぞ。
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映画『ハル』レビュー(重大なネタバレあり)
ここ数日アニメ映画やらなんやらをよく見ていたので、そのうちのひとつについて(まず?)なにか書いてみようかと。
見たものとしては「おおかみこどもの雨と雪」「宇宙ショーへようこそ」「燃える仏像人間」「Halo Legends」「イヴの時間」「サカサマのパテマ」「星を追う子ども」「言の葉の庭」「ももへの手紙」「ハル hal」「マルドゥック・スクランブル 圧縮」「ねらわれた学園」などなど。
今回はそのなかの「ハル」について。まぁごく簡単な感想を。京都舞台だし、たまこラブストーリーに引き続いて、って感じで。
ところで以下の記事にはめっちゃ重大なネタバレを含みます。ご注意下さい。
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『N・H・Kにようこそ!』総話レビュー
昨日あるきっかけでふと思い立って、今まで原作と漫画版は読んでいたけれど観ていなかった『NHKにようこそ!』のアニメ版を若干、仕事やら研究からの現実逃避気味に一気観しました。プロフィールの通り、自分は鬱展開・ハートフルボッコ・不条理的なアニメが好きなんですが、この作品はよく鬱アニメと紹介されているのをみていたことも些細なきっかけですかね。
ので、備忘録的にレビューします。
観終わって思ったのは、アニメ版は原作と漫画版の良いとこどり…というかポジティヴなところを抽出して(時には改変して)再構築した感じですね。
ただその分、原作や漫画にある、ある種のちょっと古典的なサブカルチャー感とか、特に漫画版で顕著なアングラ感が大きく削られているのはちょっと残念だったなぁ。。まあ、色々放送倫理的に引っかかるところもあるだろうから、それは仕方ないんですが。そこらへん(主にドラッグ、向精神薬、精神あたり)もゆるく検証しながら、レビューしていきたいと思います。
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『一週間フレンズ。』第8話レビュー
もうすぐ夏がきますね。
『一週間フレンズ。』第8話を観て、高校時代の『夏の前日』のあのほろ苦いような、甘酸っぱいような、それでいて確かに夏を待っている高揚感を思い出しました。実際には、高揚感よりもダルがっていましたが。苦笑
同作品の見始めの頃の前のレビューの続きになります。
(阿部共実『空が灰色だから』の全話レビューは1/3程度書き終わったところで、長過ぎて個人的な意味で精神的にダレてしまったので、気分転換的にアニメ各話レビューにします。苦笑)
改めて、メレンゲと、そしてBase Ball Bearが聴きたくなるお話でした。
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阿部共実『空が灰色だから』総評・全話レビュー感想(前編:総評)
今回の記事は前編・後編の構成をとります。前編は『空が灰色だから』を全巻読んだ上での総評レビュー、後編は全ショートの感想です。
ちょっと遅れましたが、阿部共実さんの新単行本『ちーちゃんはちょっと足りない』『ブラックギャラクシー6』同時発売を記念して、デビュー作『空が灰色だから』をレビューしたいと思います(『ちーちゃん〜』も買って読んだのでまたレビューします)。
『たまこラブストーリー』をダビさんと観に行った日に彼から借りたんですけど、そのダウナーかつ極度にサイコティックでありながらキュートでポップな感性に、一足どころか数足遅れてドハマリしちゃって、一気に読んで10年ぶりくらいに、少年漫画大人買いしました。
僕は中学生の頃から10年くらいSyrup16gというアーティストを愛聴していますが、正直に言って、最もSyrupに合う漫画とも思いました。
では早速全巻の総評をどうぞ。主に哲学/表象・精神/心理学的な観点から簡単にみていきたいと思います。
空が灰色だから コミック 1-5巻セット (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 阿部共実
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: コミック
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映画『たまこラブストーリー』レビュー(ネタバレあり〼)
あんこ姫のセーラー服姿を見れて歓喜したことを反芻しつつ書くネタバレ記事がこれ。
ちなみにあんこは本作に於いて、とても「おねえさん」ぽく描写されています。告白しての後悔に絶叫をあげたもち蔵に対して、「よっ」、って言うところとか、どうも北白川姉妹は母性的な少女として描かれるんだな、といった感じ。非常にすばらしい。
本記事の構成は、①物語の概略、②全体的な感想、そして最後に、③だいぶ穿った、というか、私の妄想のめちゃくちゃ混じった感想という名の暴論、の3部構成となっております。3番目はムダに長いです。
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