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ワールズエンド・サテライト

アニメ・漫画の感想・考察,アニソンレヴューのページです。京都の院生2人で編集・更新しています。

15年夏期アニソンランキング5

 

今期もほとんどのアニメが最終話を迎えてきましたので、やってみましょう。またベスト5(ダビさんが最近更新しないので、自分だけの更新になってますが…!笑)。

 

候補となったのは自分が今期観ていた13アニメ(『がっこうぐらし!』『Charlotte』『城下町のダンデライオン』『だんちがい』『洲崎西 THE ANIMATION』『それが声優!』『てーきゅう 5期』『のんのんびより りぴーと』『干物妹! うまるちゃん』『乱歩奇譚』『ワカコ酒』『わかば*ガール』『ゆるゆり なちゅやちゅみ!+』)において、OPあるいはEDになった21曲の内から選出。

 

今期は色々ありまして先期よりもかなり観られましたね…それだけに、より選ぶのが難しかったです。ある意味、この2人での共同ブログをやっていて選ぶのが一番難しく、それがゆえに面白かったクールかもです。

 (ここまでOPに完全に集まったのもまた珍しい…)

 

 

5.nano.RIPE「こだまことだま」(『のんのんびより りぴーと』OP)

こだまことだま(アニメ盤)

こだまことだま(アニメ盤)

 

 

まずは、『のんのんびより』2期のOP、nano.RIPEから。

自分はnano.RIPEが主題歌を手がけた作品は同作1期と『グラスリップ』しか観られてなかったのですが、少し失礼ながら、それらの曲はギターポップス的な曲調は良けれど、展開・曲構成ともにそれほど面白みは感じられなかったというところが正直あります。

 

しかし、今回の「こだまことだま」は、何と言ってもブルージーに歪んだギターやアコギにピアノよりも、エレキバンジョーの音色が面白い。バンジョーの音がアルペジオだったりルートを弾いているのですが、それがメインのエレキ(ジャガー)やアコギに負けず…と言うよりも絶妙なバランスで調和していて味になっている。くるり「リバー」なんかを想起してしまいます。

このバンジョーの朴訥な響きが、『のんのんびより』のテーマである"田舎の風景"ととてもマッチしているのです。ビジュアルも四季をつづるかのような、ド田舎の小中学生の日々を描いていて、1期のそれよりも音楽との相性が良い。また、やや単調と言うより先読みできてしまうような、ある意味では確信的なポップス手法に則っていたnano.RIPEが−これでもそれなりに展開は読めてしまいますが−少しひねったアレンジを見せていて、バンドとしての成長を感じさせます。個人的には、シンセやピアノなどを前面に出した彼らも聴いてみたいですね。

 

 

4.学園生活部「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」(『がっこうぐらし!』OP)

ふ・れ・ん・ど・し・た・い(通常盤)(TVアニメ(がっこうぐらし!)オープニングテーマ)

ふ・れ・ん・ど・し・た・い(通常盤)(TVアニメ(がっこうぐらし!)オープニングテーマ)

 

 

死体から〜死体なら〜死体とき〜死体でしょ〜♪

4位は、音楽好きの友人からも割に高評価だった『がっこうぐらし!』から。

陰鬱な作品世界をもろともしない、異様なまでのアッパーチューンで素敵です。特に↑の部分から間奏を挟むまで幾重も重なっていくシンセがハッピーでもありギミック的でもあり不気味でもあり。。

 

ボーカルのスタイルとしては、『ご注文はうさぎですか?』(来期に2期がありますね。あとどちらにも水瀬いのりさんが出演されてますね)の「Daydream Cafe」のような、間奏部分以外はほとんど誰かしらのキャストが歌っているというもの。まあ、それがゆえに"私たちはここにいます(SOS)""ここには夢がちゃんとある(希望はありません)""Die好きっ""おかえりー(生存確認)""ぶっ(死亡)""屋上には墓が大量"だとか色々と空耳されたり、()付けでネタにされちゃってますが、そういった受け手の創作的盛り上がりも含めて面白いです。

曲としては意外に何度も聴いてみれば、シンセの音が80年代風というか、シンベとかは往時のHuman Leagueとかを思い出させるような…気がしないまでもないですね。リズムトラックもちょっと『権力の美学』以降ちょっと辺りのNew Orderっぽい(これはさすがにこじつけっぽいな…苦笑)し。個人的には1番に対して2番が少し遊びすぎたかな…と思います。もうちょっと2番が抑え気味だったら、3位あたりだったかも。

 

 

3.Ray「初めてガールズ!」(『わかば*ガール』OP)

 TNP鳴らして、TNPP体験しよ、TNP鳴らして、TNPP頑張れっ!

ではなく…苦笑

3位は、畑亜貴さん作詞・ミト(クラムボン)さん作曲という超豪華な布陣の『わかば*ガール』の主題歌から。

ミトさんはMEGさんのアルバム『LA JAPONAISE』で、かの名曲「もってけ!セーラーふく」カバーのプロデュースをagraphこと牛尾さんと2 ANIMEny DJ'S(もちろん元ネタは、ベルギーのバンド、Soulwaxのディワーラ兄弟によるユニットToo Many DJ's!)名義でアニソン界隈に接近されてから、『私モテ』のEDの「どう考えても私は悪くない」などで編曲を手がけられてましたが、ここに来て遂に畑亜貴さんとのタッグ(「もってけ〜」も「どう考えても〜」も作詞は畑さん)!

 

曲としては(お下劣な空耳を除けば)畑さんのキャリアとしては、理解しやすく、かつ、彼女が特に得意とする曲調にベストマッチした言葉選びが光りながら、ミトさんの言うまでもない素晴らしいベースプレイと(あたかも同じ原作の原悠衣さんの『きんいろモザイク』シリーズEDのような)少し渋谷系も想起させるホーンセクションが響くアレンジ。

"どうしてさこんなに〜"の部分と"同じ星の生物なのかい〜"の部分のメロが何かどこかで聴いたことがあるなぁと思ったら、『スーパーマリオワールド』(とても懐かしい…)のBGMに似てたりはするけれど、耳まぐるしい曲構成に全く振りほどかれずに付いてくる詞のセンスも素敵。そして、2番目以降のブレイクが連続する箇所や、ややラップ調になるところも、過剰な(有り難迷惑的な)アレンジにならず、お二人のセンスがマッチしていて不自然さは感じないどころか、耳に残る感じ。

またビジュアルも良かった。わかばや真魚の可憐なダンス→萌子のアワアワしているダンス→柴さんの異様なまでにキレッキレのダンスの流れも面白いし、4人が手を繋いで回っているところは、やはり『きんモザ』を想起させてしまいます。

と、いうことで、"友達晒そっ"。笑

 

 

2.amazarashi「スピードと摩擦」(『乱歩奇譚』OP)

スピードと摩擦(初回生産限定盤)(DVD付)

スピードと摩擦(初回生産限定盤)(DVD付)

 

さて、そろそろ終盤。2位は最近、再び話題を集めている「ノイタミナ」枠の『乱歩奇譚』から。

正直に告白します。僕はこれ、amazarashiで初めて聴いた曲で、正直、聴くまで、「凛として時雨あたりを野太くしたフォロワーか所謂、残響系のフォロワー」程度だと先入観が非常にありました。全くもって、非常に良くないですね。聴いて、違うと思いました。

 

焦燥感はもちろんあるものの、それ以上に倦怠やバンド名通りの降り止まないジメジメとした雨の退屈な景色の中、鬱屈…やりきれない感情を淡々と歌っていて素敵でした。そして、その世界観は、まさしくコバヤシ少年をはじめとする『乱歩奇譚』の正気と狂気が曖昧になった、正常であって異常な、異常であって正常な異様な世界観とベストマッチ。

ややラップ調ながらもラップではない、けれども、次々積み重なる言葉の重みはありますし、それが憂愁よりもただただ果てない倦怠感と言葉にはし辛い「いっそ持って行かれたい」といったような感情を鋭くも鈍い矢のように刺さります。

また2番のサビの前後、"獣と人の分岐点/命にかかる銀蠅/精子は霊地の巡礼/死ぬには早い降雪/国道沿いのラブホテル/トワイライト純潔で/言葉足らずの夜明け/吃音的な世の果て"はエロティックなのはもちろん、そのエロティシズムがただの快楽的なものとは全く違う、性に耽溺することしかできない傍観のような…そして、それを自分自身でも追憶のように積み重ねる自責のような…はたまた逃れられぬ性(さが)のような、やるせなさを感じて素晴らしいです。

 

「スピードと摩擦」というタイトル通り、産業社会的な止めることのできないスピードとそこで排除される人間と獣の境界線、それがむしろ露わになるからこそ避けられない摩擦を感じられます。そしてそれは乱歩が、例えば『パノラマ島奇譚』や『芋虫』などで表した強烈なエロティシズムやフェティシズムが露悪的に、でも耽美的に描写されている様をも思い出させます(実は小学生の一時期、江戸川乱歩をめちゃくちゃ読んでいた時期がありました)。つまり、それは何者でもない、"人間"の機構そのものなんだ、と。

 

 

 1.七森中☆ごらく部「ゆりしゅらしゅしゅしゅ」(『ゆるゆり なちゅやちゅみ!+』OP)

1位は、今期、2話しか放送されなかった『ゆるゆり』の来期への橋渡し的な番外編、『なちゅやちゅみ!+』のOPから。

ゆるゆり』シリーズは、1期・2期・OVA、いずれも異様なまでにハイテンションかつ超絶アッパーなOPと曲調に合わせ本気を出したビジュアルが素晴らしかったですが、これは特に頭一つ抜けていた気がします。

 

何より、『ゆるゆり』シリーズの幕開けには欠かせない名セリフである、「ゆるゆりはっじまっるよー!」はもちろん、京子の「ワンツーさんしー!」(1期のOP「ゆりゆららららゆるゆり大事件」より)もイントロから惜しみなく入れ込みながら(間奏の「アッカリーン」も)、全然ネタが尽きた感がない、相変わらずの超アッパーな展開・メロディー・コーラスが素晴らしい。

 

曲の方は物凄いベースのスラッピングが光りながら、シンセやギターの激しいメロやドラムの小気味良いフィルが気持ち良い。個人的には、ベースがスラップしまくる曲は、アニソン以外でも、あまり好きでないのですが、これはかなり、キャスト陣の合いの手やコーラスがそれに負けず劣らないエネルギーがあって、ベーシストの自己満足的に聴こえないのもツボですね。また、名曲「いい湯だな」のオマージュを大胆に取り入れてる点も高評価(PVも実際の銭湯で撮影されている)ですね。

 

ボーカリゼーションとしては「〜大事件」や「いえす!〜」と同じく、ハイテンションな3人に結衣役の津田美波さんのクールな合いの手や歌が光る。それはもちろん、あかり役の三上さん・京子役の大坪さん・ちなつ役の大久保さんの盛り上がりもありますが。

 

そしてビジュアルも、もちろん良かった。2期で謎ダンスと呼ばれていた京子のダンスは意味不明(褒め言葉)なジェット機になっているし、その京子がすってんころりんしたりしたかと思えば、「いい湯だな」シーンがあったりと目まぐるしくサイケデリックなものさえ感じます。「AniMelo Summer 2015」では、ex-MegadeathのMarty Friedman(Martyはアニメ好きとしても有名で『けいおん!』シリーズの放課後ティータイムにコメントを寄せていたり、『あいまいみー』の主題歌でギターを弾いてらっしゃる)を招聘してのステージだったらしい七森中☆ごらく部。来期の『さん☆ハイ!』ではどんな画と共に聴かせてくれるのでしょうか。楽しみです!